虐待を悪化させてしまう小学校の「健全な家庭幻想」教育

先日、テレビを点けていたら偶然、非常に興味深いことをやっていた。

それは虐待されて殺されてしまった子供についての報道だった。

何故周囲はもっと早く気付けなかったのか?とか、
警察の対応について専門家が色々な事を述べていたが、
中でも一番興味深かったのは、
「小学校での思い込み教育が危ない」と警鐘を鳴らしていたことにある。

これには頷ける点が多かったので改めて自分なりに書いてみたい。

「お父さんお母さんに感謝の手紙を書きましょう」と言う課題がある。

この課題。

小学校低学年では頻繁に行われているかと思う。

これはもう時代にはそぐわない非常に危険な課題であるにも関わらず、
相も変わらず小学校では未だに行われているようだ。

それは「教師や親による思い込み授業」だ。

上記の課題には絶対的な前提条件が無ければ実は書ける訳はないのだ。

「お父さんお母さんがいて、立派な教育をしている家庭の子」以外は書くことが出来ない。

つまり、周囲の親や教師は、家庭と言うものはお父さんとお母さんがいて、
愛情を持って立派な教育をしているのと思い込んでいるだけなのだ。

ところが実状は全く違っている。

もう日本の離婚率は欧米並みに何年かしたら50%に達そうとしている。

片親家庭の子が当たり前に存在している現状がある。

また、子供に対する愛情が欠如している家庭も決して少なくない。

そんな中でこんな課題を子供に課した場合、悲劇が起こってしまう。

子供は自分に嘘をつかなくてはいけなくなり、
誰にも相談が出来なくなってしまう。

健全な家庭の幻想と言うのは最早成り立たないどころか非常に危険な事態を招いてしまう。

このような教育方針はとても危険で残酷だ。

それに気付けないでいるのは間違いなく私達自身の「健全な家庭信仰による幻想」に原因がある。

これを打ち砕けない限り、現実に即した良い教育からはどんどんと遠くなってゆく。

終わり