静寂の街

毎年毎年、ちょうど今頃。

街は一気に静けさに包まれる。

多くの人が帰省してしまい、
会社も工場も休みに入り、
自動車も極端に少なくなる。

特に夜。

静寂さの雰囲気が普通ではない。

何とも言えない独特の感覚だ。

その頂点は大晦日の真夜中直前にやって来る。

紅白歌合戦が終わり、ゆく年くる年が始まる。

テレビの音が無くなると街の喧騒が消え失せているのに気付く。

そして迎える新年。

どこからともなく聞こえてくる除夜の鐘。

そして汽笛の音。

ああ、ここは横浜なんだと思う瞬間。

間もなくまたこの時を迎えようとしている。