「英国王のスピーチの真実 -ジョージ6世の素顔-」
先日「英国王のスピーチ」と言う映画を観た。
吃音に悩んだ実在のジョージ6世の映画だった。
その映画の実録版と言った感じ。
当時の貴重なフィルム映像が沢山出て来る。
「英国王のスピーチ」を観た人ならかなり楽しめる内容になっていると思う。
この映画を観てつくづく思ったのだけれど、
欧米人は言葉を非常に重視していて、
スピーチは時代の要所要所でとても大きな役割を果たして来た、と。
反面、私達日本人はスピーチを重視していないと感じた。
とても良い演説であったとしても、
「口先だけのヤツ」と思う人が多い。
けれども、明確な自分の意志や信条を他の人に伝える手段として、
スピーチが非常に大切なのは明らかだ。
日本においては「察する」文化なので、
日常生活においては特に雄弁である必要は無い。
しかし政治の世界は別だと思う。
どのような政治理念を持ち、どのような社会にして行きたいのか。
これは文書でもスピーチでも明確に主張して行かなくてはならない。
それが政治なのだと思う。
ジョージ6世は吃音に悩まされながらも、
国家の一大事のためにそれを克服し、
国民に語りかける。
第二次大戦中、国王はナチスの抵抗運動の象徴として活躍された。
翻って我が日本。
安保法で揺れに揺れていた国会。
まだまだこれからももめそうな気配が濃厚だ。
非常に特徴的なのは賛成派も反対派も、
やはりスピーチの内容(どのようにあるべきなのか)を重視せず、
ただただ反対か賛成かを感情的に煽り立てているものが多かったように思う。
心に訴えかけてくるようなスピーチ。
日本では非常に難しいのだなと、この映画を観て思った。
終わり