交換留学生になるためには

※ 今回のメインテーマは「交換留学」です。

  最初から海外の大学に入学するケースは除外しております。

  あくまでも日本の大学に在籍したまま海外の大学に1年程度留学する場合に限定しています。    
  もちろん、裕福な家庭の場合も除外しております。(苦笑)



ほとんどの大学は外国の大学と提携をしていて、
「交換留学」の制度を確立しています。

交換留学とは、提携先の大学に学生を相互に留学させ合い、
その際の学費については、自国側の大学に授業料を収めていれば、
追加の料金は一切必要ない、と言うシステムです。

しかし、交換留学生に選ばれるのは至難の業です。

1つの外国の大学に対して1人くらいです。

かなり多くの海外の大学と提携している大学でも総数はそれほど多くありません。

交換留学生に選ばれるためには、語学力だけでなく大学の成績も当然見られます。

所定の条件を満たした上で面接が行われ(もちろん現地の言語を使用する)、
厳しい審査を通って初めて選ばれるものです。

細かい諸条件は各大学や提携先の大学の条件により変わってくるかとは思います。

特に欧米圏は人気が高いので非常に狭き門であるかと思います。

とは言え、このシステムは経済的に恵まれていなくても海外留学出来る唯一の突破口であるかと思います。

海外の長期滞在、特に留学は我が子の人生を非常に大きく変えることになると思います。

これは良い意味だけではありません。

悪い意味も含んでいます。

1人で子供を海外で暮らさせる訳でありますから、
親の心配たるや激甚です。

従って出来るだけ良い環境で生活させる必要があります。

提携先の大学に寮がある場合はそれを利用した方が無難かも知れません。

留学先の国の事情により違って来ますが、
それでもやはり自分で居住先を探すのは非常に大変です。

と言うより余程恵まれた家庭環境で、
事前に下調べに海外へ行けるような人でも相当難しいと思います。

旅行で仮にその国に行っていたとしても、
旅行と留学では全く意味合いが違って来ます。

その意味で寮の存在はとても有難いと感じています。

さて、そもそも交換留学生に選ばれなければ話になりません。

一体どのような勉強をすれば良いのか???

私が親として感じた事を述べてみたいと思います。

交換留学のための語学の勉強は、
一般の語学の勉強とは全く異質の世界が展開すると思うべきです。

NHKのラジオ会話とか会話学校に週に2回くらい通うとか。

その程度の勉強では全く話になりません。

特殊な勉強が必要になってくると感じています。

そして特殊な環境です。

一般的に、日本の大学に入学した場合、
コンパだとか、楽しいサークルだとかが展開します。

そのような場所に身を置いていたら既に交換留学生としての可能性はほぼ無くなります。

入るサークルは交換留学生を目指す以上、もう既に決定しているのです。

もちろん、留学先の言語の正式なサークルです。

その種のサークルに入ると、外国人留学生や留学体験のある先輩が数多くいます。

特に外国人留学生との付き合いが出て来ると世界がガラっと変わります。

一般的に日本の大学の場合、通常の活動をしていたら、
マルチリンガルの人との接点は先ずありません。

しかし、留学生は別です。

彼らはかなりの確率で母国語以外に日本語と英語は話せるのです。

そして日本人の先輩(例えば院生)の留学経験者の場合でも、日本語以外に、
留学先の言語はほぼ完璧に話せ、さらに英語が出来る確率が非常に高いのです。

つまりマルチリンガルの人が周囲に普通にいる環境に身を置いた場合、
受ける刺激はハンパありません。

普通に学生生活を送っていたら全く知らない世界になってしまいますが、
今の大学はかなり留学生を受け入れているケースが多いため、
昔とは事情が非常に変わっていると考えるべきです。

交換留学を目指す以上、当然このような場所に身を置くべきなのです。

勉強については、そもそも努力をしなければならない、と思っているのなら既に失格です。

強烈なモチベーション、つまり、絶対に留学するのだ、と言う恐いまでの意志が必要です。

これは前提条件です。

ハードな勉強をしているのが普通で、それが楽しみになっていなくては無理です。

先ず最初に、語学を習得するためには、語学学校に通わなくてはいけない、
と言う思い込みがあるかと思います。

それは捨て去るべきです。

そもそも交換留学をターゲットにした場合、
ほとんどの語学学校のシステムは学習のテンポが遅過ぎるのです。

よほど経済的に恵まれていて、留学専門の語学学校に高い授業料を大学の学費以外に払えるようなご家庭ならそれも良い方法かも知れません。

1つはっきり言えるのは、大学生活はたった4年しかありません。

何年の時に留学するのかはともかく、
交換留学生に選ばれるチャンスは4回しか無いと言う事実です。

大学入学時点で英語なら英検1級を取得しているなら良いでしょう。

選ばれる確率はかなり高くなります。

しかし大抵の場合、そんな人は稀だと思います。

受験勉強が終わり、大学に入ってから本格的に留学のための語学勉強を開始する人が多いはずです。

そしてその勉強は遅くとも2年くらいまでに終わらせておかないと、
チャンスは大学4年の中で、それでもたった2回になってしまいます。

おそろしくスピーディな短期集中型の勉強をしなくてはならないのです。

提携先の大学で学ぶ訳ですから、到達レベルの高さは日常会話なんか遥かに超えた、
非常に高いレベルにあるのです。

ではどうすべきなのか。

実のところ、メジャーな言語(NHKラジオ会話にあるような言語)なら、
語学学校に通う必要は無いと感じています。

大学には専門の教授がうじゃうじゃいます。

徹底的に教授を利用すれば良いのです。

大学の授業を受けつつ、その教授と親しくなり、
勉強方法を教われば必ず色々と有益な情報をくれます。

追記:大学によっては夏休みなどに留学希望者などを対象とした安価で高度な語学教室を設けています。
1日7時間くらいの非常にハードな講座です。
絶対に利用すべきです。

娘の場合、追記の講座以外には、語学の本を自分で買って徹底的にやり込んでいました。

それも1冊や2冊ではありません。

大書店によく行くのですが、親として「もう止めてくれ」と泣きが入るくらい、
毎回語学の本を買わされました。

今でも続いています。

それらの本をアッと言う間に読破してしまいます。

メインは中国語ですが、現在は英語を恐ろしい勢いで勉強しています。

留学先の大学は、レポートの提出など、英語の場合がある事が判明したからです。

留学までに英検準1級クラスにする必要が生じているのですが、
焦りは禁物なので一応2級で手堅く勉強している最中です。

中国語は既に留学に必要な5級(英検とは逆で6級が最高)を取得済みです。

交換留学は、選ばれるまでの勉強も非常に大変ですが、
選ばれてからの勉強も凄まじく大変です。

さらに選ばれてからの健康診断やパスポートや航空券の手配、寮の手配、
あちらの事情のチェック等々、メチャクチャやる事が多いのです。

色々と提出する書類も非常に沢山あります。

それも、自分の大学と提携先の大学の両方に出すのでかなり厄介です。

ちなみに私はほとんど手を貸してあげません。

と言うより、手を貸す事が出来ないのです。

あちらの大学とのやり取りは当然現地の言葉ですから、
私には手も足も出せないのです。

ほぼ全てを娘が1人でやっています。

そんな中で、提携先の大学で「サポートしてくれる学生」が必要か?と問われました。

娘はYESに丸を付けて提出したら、同じくらいの学年の同性の学生をサポーターとして付けてくれたのです。

これは非常に有難いシステムです。

色々と相談にのってくれ、盛んにメールでやり取りをしています。

現地滞在の不安はほぼ解消されています。

もし、このようなシステムが提携先の大学にあるのなら絶対に利用すべきであると思います。

ともかく、勉強勉強勉強。

それと、外国人とのコミュニケーション能力についても考慮しなくてはいけないと感じています。

交換留学する以上、日本人学生とはちょっとしたトラブルを起こすくらいで丁度良いと感じました。

一般的に日本人は自己主張が苦手です。

自己主張が苦手だと留学は非常に難しいと思うべきです。

いくら勉強が出来ても、自己主張がキチンと出来ない限り留学は無理です。

ノイローゼになる可能性が非常に高くなります。

一般的日本人の感覚なら「ふてぶてしい」くらいで丁度良いと思います。

親が「勉強しなさい」なんて言う世界は交換留学の世界では一切通用しません。

「頼むから少し本を買うのを止めてくれ」と言うくらいでないと無理です。

そして自らどんどんと貪欲に勉強し、どんどんとサポートしてくれる学生と積極的に現地の言葉でやり取りして行く度胸がないと無理なのです。

そんな事を今、ひしひしと感じています。

これは親の出る幕を遥かに遥かに超えています。

小学校時代までは親が徹底的に勉強のための型を作り、
子供の知的好奇心を開花させる。

中学以降は子供のまさに知的自主性に任せる。

それから先は子供自身の人生になるかと思うのです。

今、留学を前に非常に激しい毎日を過ごしています。

果たしてどうなるやら。

問題はまだまだ山積しています。

続く