「伝説の洋画家たち-二科100年展-」東京都美術館(上野)

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「伝説の洋画家たち-二科100年展-」東京都美術館(上野)

2015年7月26日(日)

行って来ました。

歴史と伝統ある二科展の作品が勢ぞろいしていました。

ちょっと感じた事があるので記事にしたいと思います。

それは「個性と模倣」に尽きます。

誰でも最初は模倣から始まると思うのです。

天才モーツァルトと言えども初期の作品はハイドンと区別がつきません。

しかしその後、誰にも真似できないモーツァルトの作品を多く作り出しています。

模倣から始まるけど誰にも負けない個性が出て来るのが芸術の世界だと思うのです。

当時、大勢の画家が西洋から多くの技法を学びました。

そして沢山の画家が自らのスタイルを・・・と言いたかったのですが・・・

正直、私はこの展示会でかなりうろたえてしまいました。

これはまかりなりにも二科展の入賞者の作品が展示されているのですが・・・・・

まるでシャガールなど、いくら何でもこれはありか?と言う作品が多々見受けられました。

強烈な個性を打ち出せていたのは極々僅かな画家だけでした。

他はほとんどが「真似(と言うより写し)から一歩も出ていない」と感じてしまったのです。

よく日本人には個性がない、と外国人から言われてしまいます。

そして「出る杭は打たれる」などと言う諺も未だに幅を利かせています。

もっと個性を!!と随分昔から言われていますが、
強烈な個性は日本では嫌われるのが普通です。

しかし、芸術の世界でこれをやったらアウトです。

そのアウトな作品の集大成・・・・・

う~ん、と思ってしまったのです。

終わり



余談:東京藝術大学大学美術館で「ヘレン・シャルフベック展」がやっています。

昨日行った妹と話したのですが、
この女性画家は非常に多くの画家の影響を受けています。

若い時の作品は真似そのものです。

しかし明らかに自分の個性を徐々に打ち出して行きます。

ヨーロッパ人はやはり本質的に個人主義者なのだな、と感じるのです。

日本人の場合、余程才能と性格と機会に恵まれていない限り。

個性を打ち出して行くのは難しいのだな、と思った次第です。