静かになる街と星の煌めきと

毎年毎年、12月28日を過ぎた頃から急速に都心部の人口が少なくなる。

31日の夜はシーンと静まり返る。

子供の頃はその寂しいようなワクワクするような不思議な感覚が好きだった。

冬休みの夜、キーンと冷えた外に天体望遠鏡を出して星を見ていた。

キラキラと輝く冬の星達。

突然、カ~ンカ~ンと誰も通らないはずの道から音が聞こえる。

火の用心・・・・・

拍子木とライトを持った消防の2人組。

足早に寒そうに去って行く。

天体望遠鏡から目を離し、彼らを見ると冬の夜を感じていた。

今でも私は冬の夜が大好きだ。

冬の星が大好きだ。

晦日、そしてお正月。

この年の瀬の時の流れは日本人にとって大切な伝統と習慣と歴史であると思う。

もうあの頃とは暮らしている街も違っているし、
何よりも随分と年を取ってしまった。

けれども。

未だに私は冬の星を見上げ、年越し蕎麦とお節料理、お雑煮を食べ続けている。

変わっていない。

おそらく一生続くのだ、と思う。