理系男子が重宝されなくなった時代・・・ネット社会の主なトラブルはコミュニケーション問題へと移行している

10年くらい前までは、コンピュータやネットで問題になるとすればハードやソフトのトラブルが主流だった。

つまり機器やプログラムの問題だった。

ネットに繋がらないとか、新しいスキャナーが作動しないとか、
初心者の場合はそもそも繋げ方が分からない、とか。

そこで理系男子の出番がやって来ていた。

ちゃちゃちゃっとパソコンと周辺機器を接続し、
立ち上げてネット環境を直ぐにお膳立てしてくれた便利な存在だった。

もっと言うと頼りになるモテる存在となる事も可能だった。

しかし、今や時代は変わってしまった・・・・・

もちろん今でもこの種の問題は多く起こってはいる。

しかし、メーカー側の努力と機器の性能の飛躍的な進歩のお陰で、
誰でも簡単に操作が出来るようになっている。

その証拠にタブレット端末においては、
カタログすら無い機種も存在しているほどだ。

誰もが簡単に、買ったその日からネットを楽しめる時代となっている。

今のパソコンやタブレット、あるいはスマホで起こる重大なトラブルとは、
もう機器の難解さではなくなっている。

と言うよりも、ネット接続までは少なくともタブレットスマホの場合は、
いきなり買ったその場から出来るのである。

設定は要らない。

つまり、パソコン主流時代において必要だった機器の接続はもう必要ないのである。

もっと言うと、スマホタブレットは今や超重大なプライバシーの塊となっている。

買ったその日に住所録やSNSなどの極めて重要な秘密情報の設定をすることとなる。

この段階で何かトラブルが発生したとしても、
絶対に、理系男子のお世話にはなれないのである。

つまり、自分の重大なプライバシーを晒す事に他ならないのだから。

要するに理系男子の出番は今やほとんど無くなっているのである。

ではネット系の問題は無くなったのかと言うと全然違う。

問題だらけと言って良い。

データの消失やウィルス感染なども悲惨ではあるが、
今から書くコミュニケーショントラブルよりは遥かにマシである。

そう、今のネット社会の問題の本質はコミュニケーショントラブルに移行しているのである。

職場環境は変わらない。

相変わらずフォーマルなやり取りをしていれば良いだけであるから。

速度の上がったパソコンを使用して、
より快適にお得意様と情報のやり取りを「あくまでもフォーマルに」していれば良いだけだからだ。

しかしながらプライベートな私生活の環境は大きく様変わりしている。

SNSと呼ばれるネットサービスが普及し、今や深く深く生活の根本にまで浸透してしまっている。

これは良い悪いの問題ですらなくなっているのである。

変な話、私生活の最たる重要問題である「恋愛」においてすらSNSと無縁ではいられない状況になっている。

そんなバカな、と思う旧世代の人は多いと思う。

けれども「バカな」では済まないのである。

もし、今気になる若い女性が出来たとする。

どうやってコミュニケーションをするのだろうか???

いきなりデートに誘いますか???

これは余りにも唐突だ。

いきなり電話ですか???

ちょっと意味は違うが「電凸」・・・(笑)

手紙ですか???

レトロだ。不気味がられる可能性が高い。

メールですか???

ま、この辺りは無難かも。

しかし、もし何らかのSNSを相手の女性がやっていた場合、
そちらから接近して行く方が良いし、より自然にコミュニケーションが取れるはずだ。

アプローチの仕方は色々あるだろう。

いずれにしても何らかのSNSと関わっていない限り、
恋愛を発展・維持させて行くのは相当難しい時代となっている。

フェイスブックかラインのいずれかは必需品かも知れない。

その他にスカイプなどの昔の感覚で言うテレビ電話系。

そして問われて来るのは何時の時代でもコミュニケーション能力となる。

しかし、現代のSNSにおけるコミュニケーション能力は昔のソレとはちょっと違って来ている。

特に日本の男性にとっては非常に厳しい能力が要求されていると言って良い。

男は黙って、は全く通用しない世界だからだ。(苦笑)

実はメールが主流だった時代から既に始まっていたのであるが・・・・・

手紙の能力の超進化版と言っても良いかと。

文章能力なのではあるが、それがもっともっと洗練され、
より高度な感情表現が求められている。

日本人男性の社会人の場合、先ず間違いなく持ち合わせていない能力だ。

厄介な事に社会人の男性は普段からお得意様とメールをしているので、
自分はそういう事が得意なんだと勘違いをしている人が非常に多い。

実は、この勘違いは重大な問題となる。

仕事のメールに感情は要らない。

社交辞令だけで淡々と業務をこなして行けば良いだけだからだ。

業務としての難しさは沢山あるだろう。

発注トラブルにどう対応するか?とか。

しかし、これらはあくまでも業務であるから、
相手との感情的なやり取りや共感は全く必要とされていないのである。

ところがプライベートは全くの逆だ。

特に男性が好きな女性とコミュニケーションする場合、
感情こそが非常に大切な問題となって来る。

世界的に見ても最もコミュニケーションが下手とされている日本人男性。

仕事とプライベートの発想転換がまるで出来ない男が非常に多い。

40代以上の男性は特に厳しい立場にあるかも知れない。
(一般論である。もちろん例外は多々ある)

しかも、ソレに気付く事すら出来ないくらいレベルが低い。

何が言いたいのかと言うと。

以前、先ほどから書いている「理系男子」と言う言葉がちょっと流行った。

口下手だけど機械系が得意で頼りになる存在として、
その手のマンガ系恋愛指南書などでも取り上げられていた。

可愛い理系男子と恋愛を、と言った感じで。

確かに今でも理系男子は重宝される傾向は無い訳ではない。

しかし、本当のところどうだろうか???

はっきり言ってしまうと、いわゆる典型的な理系男子は、
コミュニケーション能力が劣っているので、
いくら機械に強くても人間同士がコミュニケーションするSNSの場にはそもそも入って来れないのである。

SNSで起こる大問題とはコミュニケーショントラブルがほとんどだ。

以前は重宝されていた理系男子・・・この種のトラブルには無力だ。

相談相手にならないどころか、のこのことSNSに首を突っ込んで来た場合。

逆にとんでもないトラブルメーカーになる。

ここ数年のスマホタブレットの急速な性能向上のお陰でトラブルの主流が変化してしまっているから。

この変化は私的には非常に面白い。

機械が進化して進化して今辿り着いたのは人間が古来より抱えているコミュニケーショントラブルだから。(笑)

終わり



余談:実はある知り合い(女性)が今SNSで非常に悩んでいる。

   ストーカーなどの犯罪ではない。

   SNS特有のコミュニケーショントラブルだ。

   相手はその理系男子。

   コンピュータ系の会社に勤めているため、
   機器の扱いはプロ級、と言うよりもプロそのもの。

   しかし、コミュニケーションが全くダメ。

   SNSにおける場の読み方が全然出来ないので恐ろしく間抜けなコメントを入れてくる。

   周囲はドン引き。

   しかし当人だけはまるで分からない。

   かつてはパソコンの扱いが優れた頼りになる男だったが・・・・・・

   今や空気の読めない愚かなドン引き男に成り下がっている。

   時代だ。(苦笑)