ヨーロッパ滞在者には敵わない(^^;

のだめカンタービレ」と言うドラマ及び映画がある。

主人公のだめが敬愛する千秋先輩がヨーロッパに戻って来るシーンがある。

千秋先輩はヨーロッパが好きと言うより、
ヨーロッパでないと元気が出ないような男だ。(笑)

日曜日の早朝、パリの街をジョギングする千秋先輩。

ふと、教会から流れてくるオルガンの音に足を止める。

「日曜日は教会でバッハ。これがヨーロッパだ。」と呟く。

さて昨日、妹と話していた。

妹は20代のほとんどをヨーロッパ(ロンドン)で暮らしている。

先日、私と娘に続いて妹は現在六本木の国立新美術館で開催されている、
「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」に行ってきた。

そこでの興味深い感想を語った。



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↑「ヴェトゥイユの画家の庭」モネ。

↑「この作品の前に立った時、素晴らしい感動が押し寄せて来た。

  この感動はヨーロッパの夏を知っている者にしか分からないと思う。

  ヨーロッパの夏そのものなんだよ、これは。

  泣きたくなってしまった。

  空気が違うんだよ。ヨーロッパは・・・・・」と。

確か「のだめカンタービレ」の中でもヨーロッパの空気について、
千秋先輩は似たような事を言っていた気がする。

ちなみに妹は日本のドラマが大嫌いなので、
「のだめ~」は見ていない。(苦笑)

私達日本人は明治以降、欧米文化を取り入れて、
芸術作品を鑑賞する術も身に着けている。

だが、絵画にせよ音楽にせよ、ヨーロッパの作品を鑑賞する場合、
それは本来ヨーロッパの地で味わうべく作られたモノである。

東京大学ドイツ文学の教授でドイツで公使まで勤めた小塩節氏が、
初めてミュンヘンを訪れた時。

さすがに若いとは言え東大生。全てを事前に完璧に調べ上げていた。

完璧なドイツ語を駆使し、田舎からの(ドイツ人)観光客を道案内したほどの実力だった。

「何年ドイツに住んでいるんですか?」と問われ「3時間ほどです。」と答えたそうだ。(笑)

ドイツ、畏るるに足らず。意気揚々と下宿先に戻る途中。

大きな教会を見つけた。

オルガンの音が流れてきていた。

大好きなバッハだったので教会に入ってみた。

すると・・・・・

「ああ、人よ、汝の大いなる罪を泣け」が演奏されていた。

そのバッハは、日本で聴くバッハとはまるで違っていた。

「私は真のドイツを感じた」と。

そして「大きな敗北感を感じた」と。

バッハの宗教音楽はヨーロッパの教会で奏されてこそ威力を発揮する。

絵画も・・・ヨーロッパの地で描かれたモノである。

それらの作品をヨーロッパの地で鑑賞する事ができた者は・・・・・

私は羨ましいと思う。

終わり



余談:以前、ブロ友のコンサートがあった。

   生活体制に問題があり、なかなかコンサートには行けない身であるが、
   偶然その時は都合がついて行く事が出来た。

   それはある西洋館で当時の古楽器をそのまま使ってするバロックコンサートだった。

   文化財に指定された軋むような古い西洋館でのバロックコンサート。

   開演前、隣の公園で待っていたらリハーサルの音が漏れてきていた。

   「ああ、バロック音楽って、こういう場所で演奏されるべきモノなんだな」と思った。

   西洋の作品は西洋の建築物の中で。
   (^^v