「3.11 東日本大震災 君と見た風景」

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「3.11 東日本大震災 君と見た風景」
 
平井寿信著。ぶんか社。税込1100円。
 
さて、未曽有の大震災から3か月少し過ぎた。
 
今、書店では実際の体験者の声がまとめられた本が続々と出版されてきている。
 
テレビ、新聞、雑誌、ツイッターやブログ他、様々なメディアを通じて生の声が震災直後から報道されてきた。
 
けれども、じっくりと振り返った冷静な体験談の出現はこれから始まると言った感じであろう。
 
上記の本は、ブログに連載されていたものを編集し「マンガとして」刊行された。
 
著者自身が被災した仙台を中心とした話だ。
 
やはりマンガと言うメディアは非常に分かり易く、
今後、自分の防災に役立てようとする場合、
とても参考となる本だと思った。
 
我々日本人は阪神淡路や新潟の大震災を経験してから、
そのつど新しい災害対策を学んで新しい防災を構築している。
 
けれども防災に終わりはない。
 
さて、この本(マンガ)は、
夫と4歳の娘、妻(当時妊娠9ヶ月)が震度7とか6強の揺れと、
それに続く帰宅困難化やライフラインの遮断に対してどう行動したのか?がメインとなっている。
 
このお話の中には津波にのみ込まれたおどろおどろしいシーンは出てこない。
 
むしろ、著者とその周囲の方々は非常にラッキーな人とも言える。
(あくまでも比較論であるが)
 
我々は今回の大震災を思い浮かべた場合、
その膨大な死者数を目の当たりにし当然、恐怖を覚える。
 
津波は恐い。
 
でもどうしようもないじゃないか?と。
 
できる事なんか無いのでは?とすら。
 
しかし、よくよく考えてもらいたい。
 
あくまでも数字の問題であって、
決して犠牲者の方に対する礼を欠こうとする意図はない。
 
全体的な目で見た場合「生き残ってしまう人の方が遥かに多い」と言う事実。
 
つまり、生き残った我々が、今後どのように生きて行くのか?
 
これを考えた場合、この本はとても参考になるかと思う。
 
特に精神的にどういう状態になるのか?と。
 
子供を持つ親は必読かも知れない。
 
とても分かり易い体験談かつ今後に活かせるヒントの詰まったマンガだと思った。
 
ちなみにかねてから思っていたが、
やはりオートバイとオートバイ関連用品は想像以上に役に立つ。
 
オートバイはかなり特殊なトランスポーターではあるが、
震災の初期にはその関連用品である、
ヘルメット、革のグローブ、ジャケット、オーヴァーパンツ、ウェストベルト等々までが、
非常に役立ったそうである。
 
改めてオートバイの機動力を含めて見直した次第である。
 
また、自動車は震災初期から大渋滞を巻き起こし、
かなり厄介な交通手段と成り下がってしまうが、
それでも、雨風をしのげると言う最大の利点があるため、
自動車とは、これまた震災時においてはこれ以上ない防災用品の1つであると確信した。
 
だが、ガソリンの備蓄は絶対的に必要だ。
 
被災地のガソリン不足は深刻で解決まで相当の時間を要したそうだ。
 
道路が何とか大丈夫だった仙台市内(海側を除く)においてすら。
 
食料・飲料水の備蓄もどれほど重要か・・・・・
 
いずれにせよ、今回、私は自宅・及び職場の横浜市震度5強を体験した。
 
直接的な被害は無かった。
 
けれども、我が子との連絡不能、全部止まった電車、続く物資不足。
 
ライフラインが生き残っていてもこの体たらく。
 
実際に首都圏直下型が来たら回復には相当の時間がかかると予想された。
 
人口密度の度合いが違うので悲惨さは相当になるのでは???
 
3日分の飲料水と食料に懐中電灯???
 
これじゃ~全然ダメだと思う。
 
もっともっと真剣に災害対策を構築して行く必要性があると思った。
 
それこそ戦略的に。
 
終わり
 
 
追記:首都圏で暮らしていると大抵の場合は核家族化していて、
    親戚や実家との繋がりも希薄になっている。
 
    けれども、このような大震災に見舞われた場合、
    こういう人間関係の繋がりががどれほどの威力を発揮してくるのか???
 
    また、備えている者がどれほど強い存在なのか???
 
    そういう視点でも読みごたえがあるかと思う。
 
    知り合いに惜しみもなく分け与える度量。
 
    また、職業(山菜などを使った弁当をつくる)を直ぐに再開し、
    食料不足に悩む人達に100個の弁当を急いで売りに行く意識。
 
    こうなると商売人と言うよりはボランティア行動に思える。
 
    余談:著者の実家のお1人は陶芸家だそうだが、
        私の娘はそっち方面の部活をしているので、
        窯がどうなるのか興味があった。
        やはり壊滅状態だった・・・・・もったいない・・・・・
        (><;