霜柱の道をサクサクと・・・遥か遠い昔の記憶・・・

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もう40年以上も遥か遠い昔、私は東京のド真ん中で生まれ育った。

まだ西麻布の近辺は今のようにコンクリートとビルで埋め尽くされてはいなかった。

少し道から外れればソコには土があった。

冬の寒い朝、小学生だった私は土の上を歩き、
サクサクと音を立てる霜柱の感触に酔いしれていた。

あれから何十年の歳月が流れ、
日赤産院の広大な空き地は今や億ションが建ち並んでいる。

冬は霜柱、春は土筆・・・その光景は遠い昔の過去の話となっている。

私も今は横浜に越している。

便利・・・そう、何をするにも都会は便利だ。

洗練された街並み。

網の目のように張り巡らされた高速道路と地下鉄。

その夜景は未来的な姿を映し出す。

この都市の中で、否、都市の中にこそ人の幸せがあると当時は思い込んでいた。

土筆の原っぱは消え、未来的な高層ビルが次々に建ってゆく。

コンサートホール、美術館、画廊、映画館、ショッピングモール、ネオン街、煌びやかなファッション・・・・・

そして希薄な人間関係・・・・・

街に行けば望む全てが手に入り、きっと幸せになれる、と。

このアスファルトとコンクリートの空間で私達は幸せになれたのだろうか???

久しぶりに霜柱の道をサクサクと歩き、そんな事を考えた。

終わり