「紳士度」勝負

ヨーロッパ。それも特にイギリス・・・・・

「紳士の国」と言われている・・・・・

そうではないヤツも沢山いるが。(爆)

しかし、本当にヤバいくらいの紳士が現実に「稀に」存在している国だ。

非常に侮れない国の一つと考えている。

友人の一人が今から25年近く前に、
付き合っていたイギリス人女性と共にイギリスへ行った。

帰って来てからの彼・・・明らかに変わった。

「日本人が猿に見える」と。

なぜ、猿に見えたのか???

西洋かぶれ、と断じるのは簡単だが、
残念ながら、その後何年かしてから、
私もイギリスに少し滞在し、同様の感覚を持った。

約20年前の日本・・・

今と同じだと思ったら大間違いだ。

日常生活の些細な所で「猿と人間」の違いが顕著に現れる。

例えば、トイレの前で。銀行のキャッシュディスペンサーの前で。

現在は「一列に並び、空いた所から順に入って行く」。

しかし、当時の日本はそれぞれに列を作る。

従って、物凄い不平等な待ち時間が出来る。

「Are you queuing ?」(並んでいらっしゃるのですか?)

こんな言葉をイギリスの街角ではしょっちゅう耳にする。

この感覚・・・これこそが・・・紳士の国・・・

若い頃の私は、物凄いカルチャーショックを受けた。

そして、日本に戻った私も、その彼と良く車に乗って遊んでいた。

彼がデカいイギリス車を買ったので、
当時彼が住んでいた元麻布近辺を乗り回し、
「紳士度」勝負なるモノをしていた。

マナーの悪い自動車を見ると、
「猿だ。猿が運転している」とゲラゲラ笑う。

「たぶん、あいつ、車の中でキーキー言ってるぜ」とか。

それでも、ある日「負けた」。(爆)

あれは麻布十番の近くの狭い道での出来事。

前を走るロールス・ロイスが車体をやや斜めにして止まり、
何かを待っていた。

「???」

車両交差のために、絶妙のタイミング、絶妙のマナーで道を譲っていた。

「見たか?今の?」

車の格。マナーの洗練度。あらゆる点で負けた。(爆)

でも、日本にも「紳士」は紛れもなく存在している。


余談:非常に些細な出来事ではある。

   ロンドンのあるCDショップでの事。
   私は、クラッシックコーナーでバッハなどのクラッシック物を探していた。
   狭い店内。
   すると、ある中年男性とすれ違う事になった。
   彼は、かなり手前の距離から道を譲ってくれた。
   日本人の感覚だと有り得ないくらいの。
   その洗練された物腰。
   日本人だって負けないぞ、と言う誇りを私は持っている。
   しかし、こうした些細な日常生活の端々において・・・・・
   「心地良い敗北感」を感じていたイギリスの日々だった。


超余談:あれから20年近くの月日が流れた。

   今の日本の日常生活・・・
   
   約20年と言う歳月をかけて、イギリスに追いつきつつあると思う。

終わり