サザンクロスをこの目にっ!!(南十字星、ケンタウルス座、そしてアケルナル)前編

小学生時代の私は、
毎月「日赤医療センター発渋谷駅行」の学バスに乗り、
西麻布の自宅から渋谷の五島プラネタリウムに通っていた。
(五島プラネタリウム・・・今はもう無い・・・)

五島プラネタリウムでは月ごとに違うテーマだった。

そこで色々な天文現象の事を知った。

皆既日食皆既月食、オーロラ、流星雨、彗星・・・・・

それらの現象は子供だった私の心をワクワクさせた。

「将来、大人になった私は、これら全てを見る事が出来るのだろうか?」と。

中でも、とりわけ興味を持ったのが、
毎年春になると解説される「南十字星」の事だった。

五島プラネタリウムでは、最後まで恐ろしく旧式のカールツァイスを使用していた。

コレは今のプラネタリウムとは違う、2球式のタイプだった。
つまり、北半球と南半球が別々になっていた。

解説員が言う。
「さあ、これから皆様と一緒に南半球へ旅をしましょう!!」

すると、カールツァイスプラネタリウムはウィーーーンと言う音と共に、
南北の球が逆転して行く。

北極星はみるみるうちに高度を下げ、地平線に。

「さあ、今、私達は赤道付近にいます。
 お気付きですか?
 からす座の下をご覧下さい。
 南十字星が上がってますよ。」

そして見た事もない星座で辺りは埋め尽くされた・・・

「今、私達は、オーストラリアのシドニーくらいの位置にいます。
 どうでしょうか?
 知らない星座ばかりだと思います。」

これは衝撃的な体験だった。

小さくても1等星を2つも従えて堂々と輝く「南十字星」・・・

「ぼくは将来、この星を見たい。どうしても見たい。」と心に誓った。

あれから40年近くの歳月が流れた。

果たして私は・・・・・

後編へ続く