星を知らぬ子供達に

「満天の星空」「星降る夜」「天の川」・・・・・

一体、どれだけの子供、否、大人を含め、
今の日本人は「星」を知っていると言うのだろうか???

女優の高木美保がかつてNHKの討論番組で言っていた。

「今の40代までが都市部にも自然が残っていた最後の世代。
 それより若い世代は、親が積極的に自然に触れさせてやらない限り、
 一生、自然を知らずに育つ。」と。

余談:高木美保・・・大好きだ。何より生き方、考え方が大好きだ。
   そして、その高木美保に「ヒステリー農業」と言うあだ名を付けた有吉・・・
   天才だと思う・・・(爆)

首都圏で生まれ育つと言う事。

その激烈な光害。

きれいな「天の川」を見るためには、
首都圏から100km以上離れない限り見る事は叶わない。

おそらく、市街地で生まれ育った者は、
登山、キャンプなどで夜を山で過ごさない限り、
「星降る夜」を体験する事は生涯訪れないだろう。

「降るような星達の輝き」・・・それは今や簡単には手に入らない。

余談2:いくら山に行ったとしても、その時、月があったらもうアウト。
    淡い淡い天の川の光は、月明かりにさえもかき消されてしまう。


エピソード:「ペルセウス座流星群の夜」

某年8月12日の夜。

草津白根山山頂を目指し、
OPELベクトラは慎重に曲がりくねった山道を上がって行く。

高度は2000mを軽く超える。

草津の町には雲が出ていたが、
その雲は低層で、今や草津の町は雲に覆われ、
町の明かりは一切見えない。

我々は雲を突き抜け、雲上の人となった。

お気に入りの観測地にベクトラを停めた。

当時40代の従妹と私の娘、妹が車から降りる。

目の前に広がる光景。

見事に立ち上がった夏の天の川。

「ああ、私、天の川を見たのは生まれて初めてかも知れないっ!!」
東北地方の市街地で生まれ育った従妹が叫ぶ。

そして、我々は「その時」を待ち続ける。

サーーーーーーーッ!!と音も無く明るい流れ星が、
白→オレンジ→緑へと色を変えながら瞬間的に流れて行った。

来たっ!!
典型的なペルセウス座流星群の流れ星だ。

秒速約70km・・・・・
余りにも速過ぎて願い事は叶いそうもない。

流れ星の夏・・・・・子供には生涯忘れられない夜となるだろう。