新宿ゴールデン街・・・そこは恐ろしく敷居の高い店

さて、昨日、初めて新宿のゴールデン街で飲んだ。

私のオヤジは大の酒好きで若い頃から今にいたるまで新宿大好き人間。
もちろん、ゴールデン街も大好き。

しかし、私はそれほど酒好きと言う訳でもないので、
いつも側を通過するだけだった。

昨日は元凄腕編集者のリードの下、何人かでゴールデン街の某店へ行った。

このゴールデン街と言う一角。

昔から日本の文豪がやたらと好む場所である。

例えば、オヤジが昔、某店で飲んでいたら、
ぶらりと「安部公房」が入って来て、
お喋りをして帰って行った、とか。

他にも信じられない超大物作家がホントにぶらりと入って来る。

客層も作家以外にも一癖も二癖もある編集者やら芸術家やらが多い。
(もちろん店にもよるが)

ココでのマナーは、こんな感じか?

「客と店主は対等」

「社会的地位・金は一切通用しない」

「教養と洗練された会話」

客はそれなりの教養と洗練された態度でないとイケない。

まかり間違っても、大作家が入って来たからと言って、
サインをねだったりしてはイケない。

と、言いながら、私はオヤジに頼んで、
昔「柘植久慶」にサインを本にしてもらった事があるが・・・(爆)

昨日の印象は・・・「怖ろしく敷居の高い店」である。

もう中年を過ぎて、海外なんぞの体験もあると、
例えば、パリでミシュランの三ツ星店で食事をする、だとか、
京都の老舗で食事をする、だとかに対し、一々緊張をする事はなくなる、はずだ。(爆)

しかし、しかし・・・・・

この新宿ゴールデン街・・・ここには全く異質な空間が展開している。

どうしようもないくらいみすぼらしい店だ。

しかし、この一帯の精神性は紛れも無く高度に洗練されている。

社会的地位や金では絶対に手に入れる事の出来ない、
洗練された「知」「教養」がここに存在している。

久しぶりに私は良い意味で打ちのめされた。

東京・・・

この街で尊敬する場所は今まで唯一「神田神保町(世界一の古本屋街)」だったが、
今後は「新宿ゴールデン街」が加わった。

う~む、さすがに東京。しかも新宿。さらにゴールデン街

この感覚は横浜なんぞでは決して味わえないだろう。

否、日本全国、否、もしかしたら世界で唯一かもしれない。

凄い場所が未だに残っている。