「皆既日食観測マニュアル」

皆様、こんにちは。

2009年7月22日(水)、いよいよ皆既日食が見られます。

皆既日食は全ての天体現象、自然現象の中でダントツNO.1と言われています。

そして今回は21世紀中、最大の皆既日食です。

見る事の出来る各地では歴史的な混雑となるでしょう。

悪石島近辺では6分を超える「大皆既日食」になります。

種子島においては、最大約2分(門倉岬)の継続時間となります。

観測予定地の前之浜海岸(公園)では1分41秒くらいとなります。

実際に見てみると、あまりの神秘さに見とれて、本当にアッと言う間の出来事のように感

じるはずです。

そして皆既日食は写真や映像で紹介されているモノと実物では、かなりかけ離れております。

想像以上に驚き、大感動する現象です。

おそらくは、見る事の出来た人には一生忘れられない思い出として鮮明に記憶される事と思

います。

充分に落ち着いて、また、万全の準備をして、観測・観望をしたいと存じます。


さて、以下の記述は、私が皆既日食ツアーに昔参加した時に配られた観測マニュアルに、
最近の書籍の記述を合わせたり、個人的な体験を加えて作成したものです。

ご参考までにどうぞ。



「時間を追って」(種子島の前之浜海岸の時刻です)

9時37分頃   太陽が欠け始めました。時間が経つにつれて、
         欠け方(食分)が大きくなってゆきます。
         必ず、日食グラスを使用して太陽を見ましょう。

10時30分頃  周囲が大分暗くなっているのに気付くはずです。
         木漏れ日が三日月形に見えるのも面白いでしょう。

10時45分頃  もう、かなり太陽は小さくなってきました。涼しくなってきませんか?
         太陽を見てもあまり眩しくはありません。
         (それでも大変危険なので余り直接見てはいけません)
         太陽に虹色の暈(かさ)がかかっているのは分かりませんか?星は見えますか?
         辺りは濃い黄色もしくは黄土色に包まれていませんか?
         鳥が巣に帰って行きませんか?

10時53分頃  皆既日食5分前です。
         撮影している人は、カメラやビデオのフィルターを外して下さい。
         撮影機材の最終点検をして下さいっ!!

10時55分頃  皆既日食3分前です。
         日食メガネ、双眼鏡のフィルターを外して下さい。
         (それでも直前までは直視し続けるのは危険です)
         
         それでは約1分41秒の大宇宙の贈り物をたっぷりとお楽しみ下さいっ!!

         地面を「さざ波のような影(シャドーバンド)」が走って行きます。

10時57分57秒  ダイヤモンドリング、そしてコロナが現れました。

         皆既日食を見る時のポイント。
         ・コロナはどんな色に見えていますか?
         ・プロミネンス(紅炎)はどのくらい出ていますか?
         ・プロミネンスは何色ですか?
         ・コロナの流線はどちらの方向に何本くらい出ていますか?
         ・コロナの流線の長さはどれくらい(例えば太陽直径の何倍くらい)ですか?
         ・空の明るさはどれくらいで、また、どんな色ですか?
         ・地平線近くの空は何色で、どんな様子でしたか?
         ・金星、水星はどのあたりで見え始めましたか?また、他の星はどうでしたか?
         
10時59分38秒  2回目のダイヤモンドリングです。
           皆既は終了しました。
           太陽を見る場合は日食グラスをして下さい。

11時00分頃  木漏れ日を見に行ってみましょう。
         先ほどよりはゆっくりと三日月形の太陽を沢山観察できるでしょう。

12時23分頃  この日食の全てが終了しました。





お疲れ様でした。次に日本で見られる皆既日食は2035年9月2日、北関東になります。
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