バッハとの邂逅

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何度か書いたと思うが、
新しいエピソードを思い出したので取り混ぜて再び。

まだ18~19歳くらいだった頃は、
ベートーベンやモーツァルト、ロックが好きだった。

代々木ゼミナールの日本史の授業で、
先生がこんな事を言っていた。

「私は20代の頃は怒りでいっぱいだった。
そんな時『方丈記』を知った。
もし『方丈記』と出会わなかったら、
人を殺していたと思う。
方丈記』を読むと不思議に落ち着いた。
皆さんも私にとっての『方丈記』を見つけて下さい。」

私の20代も怒りでいっぱいだったように思う。

大型オートバイを乗り回し、
ナイフを持ち歩いていた。

言い知れぬ怒りと不安・・・

そんな時、イギリス人女性と付き合っていた友人の家に行った。

見慣れぬCDがあった。
(写真4枚目参照)

バッハだった。

そのイギリス人女性と友人からバッハの良さを教わった。

そして衝撃的な一曲と出会った。

「汝の慈愛によりて我らを死なしめたまえ」
教会カンタータ第22番より BWV22

アリシア・デ・ラローチャのピアノ独奏。

もう今では絶版で、楽譜も日本では入手困難である。
(写真参照)

何故か以来、25年以上、一番好きな曲である。

教会カンタータとして聴いてもパッとしないが、
何故かピアノ編曲になった途端に光り輝く。

私にとってこの曲は「その方丈記」と言える。

小さな小さな何の変哲もないピアノ小品であるが、
静かに静かに、深く深く、
私の心の奥底の良心に訴えてくる。

魂を揺さぶられる曲。

私にとっては不思議な一曲であり、
また個人的にはバッハの根源的な一曲でもある。