主婦と芸術(笑)

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「主婦と芸術(笑)」

ブログ友達が「#名画で学ぶ主婦業」と言う本を紹介していた。

面白そうなので、今日渋谷の東急本店に「東京かわら版」を買いに行ったので、
ついでに手に取ってパラパラと読んでみたら。

《その場で一気に全部読んでしまった》

(((^_^;)

これ、かなり面白いと思った。

名画を主婦目線で鑑賞するとこうなると言うお笑い本。

ちなみに私はメチャクチャ広い丸善ジュンク堂書店の絵画コーナーでこの本を探していたが無かった。

売り切れ?と思って諦めかけて本屋を出ようと思った時、
検索コーナーがあったのでチェックしたら「サブカルチャーコーナー」にあった。

それもそのはず。

名画を観て、旦那への怒り、子育てのイライラ、生活の不満を思い切りぶつけてくる。(笑)

不謹慎だと思う人はかなり多いと思う。

しかし私はこの本のようなふざけた視点での芸術鑑賞はとても重要だと思っている。

ほとんどの私達日本人は真面目で、何をやっても放置しておくと「道」にしてしまう。

やたらと厳しくなり、己の進むべき野球道?サッカー道?絵画道?音楽道?

バカを言え、と思う。

プロになるならともかく、スポーツも芸術も楽しみだ。

楽しめないのに無理にする必要など絶対にない。

しかしどういう訳かスポーツや芸術を勉強や教養、もっと言うと宗教の一種に考えてしまう人は多い。

名画を前にした時、二点透視図法がどうたらこうたら、
この寓意がどうたらこうたら、と。

もちろん好きになり、芸術を勉強する姿勢を全否定するつもりは毛頭ないが。

楽しめない鑑賞ならしない方がいいとは思っている。

何度か書いたことがあるが今一度。

昔ドイツ語を習っていた頃、
ドイツ人の先生に「貴方はマーラーが好きか?」と聞かれたので、
“verstehen(理解する)”と言う動詞を使って、
「私はマーラーを理解出来ない」と答えたところ、
先生はちょっと考え込んで、こう言った。

「その言い方はドイツ語としておかしいです。
 芸術は理解するものではありません。
 楽しめるのか?楽しめないのか?です。」と。

今度は私が考え込んでしまった。

当たり前と言えば当たり前なのだが、
絵画も音楽も楽しみのためにある。

時に私達日本人はお笑いすら「道」にしてしまう。

寄席で落語家の芸道に感心するよりは、
先ずは笑い、先ずは感動するべきなのは言うまでもない。

絵画もそうだ。

もっともっと純粋に素直に鑑賞すれば良いと思う。

古典の英雄の姿に自分の旦那の傲慢さを重ねて毒づくのも立派な楽しみ方だ。

美人画の物憂げな表情に育児に疲れた自分を重ねるのも立派な鑑賞だ。

要は自分が楽しめればいい。

それが芸術鑑賞の第一歩であり基本であると思う。

なかなかどうして考えさせられた本だった。

終わり