徴兵制と徴兵逃れについて
※ 大変申し訳ありませんが、当記事では初コメントを受け付けておりません。
内容に関わらず削除対象とさせて頂くことをご容赦下さい。
徴兵制と徴兵逃れについて
テレビのドラマ番組で極めて興味深い内容があったので書いてみたいと思います。
戦後民主主義の中で生きる私達日本人のほとんどは、
「徴兵制=悪」で、絶対に二度と許してはならない制度だと思っているかと思います。
当記事の主旨は徴兵制の良し悪しを論じるものではありません。
私達は間違った思い込みをしているのではないか?と言うのが主旨になります。
戦後民主主義の中で生きる私達日本人は、
かつての徴兵制について、ほとんどの日本人男子は嫌々ながら受けていて、
何とかして逃れたいと思っていたはず、と言う思い込みを持っているかと感じています。
その証拠にWikiで「徴兵検査」を調べてみて下さい。
徴兵逃れについてかなりの行数が割かれているのが分かります。
これを読むと相当のパーセンテージの男達がやっていたように思ってしまいます。
しかしこれは明らかに間違いなのでは?と思うのです。
例えば隣の韓国は休戦状態とは言え、
戦争の危険が非常に高い国なので徴兵制があります。
若いアイドルの男の子が徴兵逃れをした場合、
大変な問題になります。
場合によると芸能活動そのものを奪われます。
それほどの大罪と思われているのです。
現代の民主主義に生きる隣国でもそうなのです。
当時の軍国主義の日本において、
徴兵逃れが横行していたとは考え難い上に、
前述したテレビドラマでは決定的なことを言っていました。
徴兵検査には「甲種合格」「乙種合格」「丙種合格」「丁種(不合格)」とあり、
丙種合格とは一応ギリギリの合格ではあったけれど、
現役の兵としては使えないと言うレッテル貼りになっていた、と。
このテレビドラマで語られた感覚は正しかったのではないかと思うのです。
どうしても私達は昔の徴兵制を考えた時、
現代の戦後民主主義の考えを当時にも無理矢理当てはめようとします。
みんながみんな戦争反対と心の中では主張していて、
徴兵も逃げるが勝ちと思っていたはずなんだ、と。
これはとんでもない間違いではないのでしょうか?
当時の日本において最低の合格ラインであった「丙種合格」は、
普通の男性にとっては相当の屈辱であり、
結婚や恋愛において大変なハンディキャップとなっていた、
とテレビ番組では語っていたのです。
このギリギリ合格は、基本的には現役の兵としては無理と言う烙印でありますから、
あの人は丙種だから、と言われるのは欠陥のある気の毒な男なんだと言われるに等しい、と。
これは耐えられない屈辱であったと考えられます。
不合格になろうと努力した男達の奮闘?もWikiには書かれていますが、
仮に不合格になったとして、当時の日本においてどんな生活が出来たのでしょうか???
ただ生きていればいい、と考えていた者は果たしてどれくらいだったのか???
そしてどのような顔をして隣近所の人と共生していたのでしょうか???
女余りの状況ですからそれでも徴兵逃れでの丙種合格者達はモテまくっていたのでしょうか???
当時の女性達は、もちろん赤紙が来て自分達の夫や息子が兵隊になり死ぬ可能性が大きい場所に行かされるのを望んでいたとは思えません。
もちろん一部に不合格を目指した者はいたはずです。
しかし戦時下の当時の日本において、
それは少数であったと考えるべきでしょう。
でなければ、あれだけの規模の戦争が出来た軍隊の維持など可能だった訳はありません。
終わり
余談:
当記事の主旨とはちょっとズレてしまうのですが、
私的には大変興味深いと言いますか危惧しているのは、
最近までヨーロッパでは徴兵制は時代遅れとされていて、
随分と廃止してる国が多かったのです。
ところがスウェーデンが徴兵制を復活させて、
続いてフランスも再開を検討していると聞いて驚いております。
冷戦終結後、徴兵制を廃止した国が多かったようですが、
今ではテロや難民がヨーロッパでは大問題になっておりますから、
再び徴兵制を復活させようと言う動きがあるようです。
スウェーデンの場合は隣国ロシアの動きを牽制する狙いのためみたいですが。
ちなみにリベラル系の人は徴兵制と言うと直ぐにでもできそうな制度と考えているようですが、
事はそんなに簡単ではありません。
通常の徴兵制を想定してみます。
18~20歳までの男子に1年間の徴兵を適用したとします。
現在の日本は少子化しておりますが、仮に1学年100万人とします。
男子の数は半分なので約50万人。
×3になりますから約150万人。
最近では男女平等の思想から「男女に適用した場合は」さらに×2となりますから、
実に約300万人近い兵を確保できることになってしまいます。
もちろん良心的兵役忌避を認めたとしても、
軽く200万人くらいの規模の軍隊が出来上がる訳です。
これをどう考えるべきなのか。
ちょっと想像してみると、とんでもない事態が判明します。
現在の自衛官は陸海空を含めて約25万人です。
予備自衛官を含めても約30万人です。
これが一気に男女に適用した場合は200万人くらいに膨れ上がる訳です。
全員の衣食住以外に武器や教育のための膨大な施設も必要になってくるのです。
ちなみに中国人民解放軍の人数は、
現役で約228万5千人、予備役が51万人とされています。
アメリカ軍は現役兵で約144万人、予備役が約145万人とされています。
単純な人数計算だけでも、
中国やアメリカがどれほど軍事費にお金をかけているのかが分かるかと思います。
もちろんこれ以外に異常に高額な最新兵器の調達もあるのは言うまでもありません。
徴兵制を日本が導入した場合、一気に少なくとも人数的には中国・アメリカと大差ない兵が確保されることになります。
お金のかかり方がハンパないと思っておくべきです。
ちなみにドイツは現在徴兵制を廃止していますが、
その代わりに難民を100万人以上受け入れています。
徴兵制とは違い、武器とか教育などが必要のない人道的な支援ですから、
単純に衣食住を提供しているだけですが、
それでも100万人もの人達を無料で養うことがどれだけの経済的ダメージ、
心理的ダメージを国民に与えているのか。
ドイツは今、国が二つに割れかかっていると言われています。
もちろん日本での徴兵制の導入は今いる日本人が対象ですから、
新たな難民の受け入れとは訳が違います。
それでも、宿舎を設けて衣食住を提供するのは同じです。
国家予算を非常に大きく圧迫するようになるのだけは間違いありません。
今の行政サービスを余程大幅に削っても維持はかなり難しいと考えた方が無難です。
臨戦態勢になればそうも言っていられないでしょうけど。
また、現代の戦争は第二次世界大戦とは非常に大きく戦略戦術が変わっていますし、
使用される武器も違っています。
現代戦は一般的に最初にミサイルにより敵のレーダーサイトを破壊することから開始されます。
続いて制空権を得るための戦闘機による戦いが開始され、
それにより制海権も決定して行きます。
その後、制空権と制海権を奪った側が空爆を開始して、
徹底的に敵の軍事施設と場合によっては都市も破壊します。
この段階になってようやく歩兵(陸軍)が敵の首都に向かって攻略を開始して、
残存兵力を殲滅させながら最終的に首都を占領して戦争は終結するのが通常のパターンです。
しかしながら、現代戦はその後の占領政策が異常に難しくなるのがパターンとなっていて、
このため、ゲリラが多発して統治が出来なくなり、
戦争に勝利しても統治が上手く行かず、混乱状態が続いてしまいます。
従って戦勝国の経済が疲弊する事態になってしまいます。
そのため先進諸国は戦争に踏み切れないでいて、
中東ではそのお陰で逆に大量虐殺が長引いてしまうと言うおかしな状況になっています。
平和主義の中で生きる私達日本人は自国はおろか、
他国の現実の戦争に対しても無力です。
思考すら出来ない状況になってしまいます。
ただひたすら平和念仏を唱えるだけ。
念仏が効かないと分かると無視をするだけです。
中東の戦争も、北朝鮮のミサイルも、中国の軍艦も、
見なかったことにしたい、無い物と思いたい、ただそれだけ。
危機を危機と感じないで、遠い国の戦争は考えなければいい、と。
ではどうすればいいのか?などと考える事すら悪である、と。
結果的に、人間的に異常に残酷な国になっているのでは?と思う今日この頃です。
内容に関わらず削除対象とさせて頂くことをご容赦下さい。
徴兵制と徴兵逃れについて
テレビのドラマ番組で極めて興味深い内容があったので書いてみたいと思います。
戦後民主主義の中で生きる私達日本人のほとんどは、
「徴兵制=悪」で、絶対に二度と許してはならない制度だと思っているかと思います。
当記事の主旨は徴兵制の良し悪しを論じるものではありません。
私達は間違った思い込みをしているのではないか?と言うのが主旨になります。
戦後民主主義の中で生きる私達日本人は、
かつての徴兵制について、ほとんどの日本人男子は嫌々ながら受けていて、
何とかして逃れたいと思っていたはず、と言う思い込みを持っているかと感じています。
その証拠にWikiで「徴兵検査」を調べてみて下さい。
徴兵逃れについてかなりの行数が割かれているのが分かります。
これを読むと相当のパーセンテージの男達がやっていたように思ってしまいます。
しかしこれは明らかに間違いなのでは?と思うのです。
例えば隣の韓国は休戦状態とは言え、
戦争の危険が非常に高い国なので徴兵制があります。
若いアイドルの男の子が徴兵逃れをした場合、
大変な問題になります。
場合によると芸能活動そのものを奪われます。
それほどの大罪と思われているのです。
現代の民主主義に生きる隣国でもそうなのです。
当時の軍国主義の日本において、
徴兵逃れが横行していたとは考え難い上に、
前述したテレビドラマでは決定的なことを言っていました。
徴兵検査には「甲種合格」「乙種合格」「丙種合格」「丁種(不合格)」とあり、
丙種合格とは一応ギリギリの合格ではあったけれど、
現役の兵としては使えないと言うレッテル貼りになっていた、と。
このテレビドラマで語られた感覚は正しかったのではないかと思うのです。
どうしても私達は昔の徴兵制を考えた時、
現代の戦後民主主義の考えを当時にも無理矢理当てはめようとします。
みんながみんな戦争反対と心の中では主張していて、
徴兵も逃げるが勝ちと思っていたはずなんだ、と。
これはとんでもない間違いではないのでしょうか?
当時の日本において最低の合格ラインであった「丙種合格」は、
普通の男性にとっては相当の屈辱であり、
結婚や恋愛において大変なハンディキャップとなっていた、
とテレビ番組では語っていたのです。
このギリギリ合格は、基本的には現役の兵としては無理と言う烙印でありますから、
あの人は丙種だから、と言われるのは欠陥のある気の毒な男なんだと言われるに等しい、と。
これは耐えられない屈辱であったと考えられます。
不合格になろうと努力した男達の奮闘?もWikiには書かれていますが、
仮に不合格になったとして、当時の日本においてどんな生活が出来たのでしょうか???
ただ生きていればいい、と考えていた者は果たしてどれくらいだったのか???
そしてどのような顔をして隣近所の人と共生していたのでしょうか???
女余りの状況ですからそれでも徴兵逃れでの丙種合格者達はモテまくっていたのでしょうか???
当時の女性達は、もちろん赤紙が来て自分達の夫や息子が兵隊になり死ぬ可能性が大きい場所に行かされるのを望んでいたとは思えません。
もちろん一部に不合格を目指した者はいたはずです。
しかし戦時下の当時の日本において、
それは少数であったと考えるべきでしょう。
でなければ、あれだけの規模の戦争が出来た軍隊の維持など可能だった訳はありません。
終わり
余談:
当記事の主旨とはちょっとズレてしまうのですが、
私的には大変興味深いと言いますか危惧しているのは、
最近までヨーロッパでは徴兵制は時代遅れとされていて、
随分と廃止してる国が多かったのです。
ところがスウェーデンが徴兵制を復活させて、
続いてフランスも再開を検討していると聞いて驚いております。
冷戦終結後、徴兵制を廃止した国が多かったようですが、
今ではテロや難民がヨーロッパでは大問題になっておりますから、
再び徴兵制を復活させようと言う動きがあるようです。
スウェーデンの場合は隣国ロシアの動きを牽制する狙いのためみたいですが。
ちなみにリベラル系の人は徴兵制と言うと直ぐにでもできそうな制度と考えているようですが、
事はそんなに簡単ではありません。
通常の徴兵制を想定してみます。
18~20歳までの男子に1年間の徴兵を適用したとします。
現在の日本は少子化しておりますが、仮に1学年100万人とします。
男子の数は半分なので約50万人。
×3になりますから約150万人。
最近では男女平等の思想から「男女に適用した場合は」さらに×2となりますから、
実に約300万人近い兵を確保できることになってしまいます。
もちろん良心的兵役忌避を認めたとしても、
軽く200万人くらいの規模の軍隊が出来上がる訳です。
これをどう考えるべきなのか。
ちょっと想像してみると、とんでもない事態が判明します。
現在の自衛官は陸海空を含めて約25万人です。
予備自衛官を含めても約30万人です。
これが一気に男女に適用した場合は200万人くらいに膨れ上がる訳です。
全員の衣食住以外に武器や教育のための膨大な施設も必要になってくるのです。
ちなみに中国人民解放軍の人数は、
現役で約228万5千人、予備役が51万人とされています。
アメリカ軍は現役兵で約144万人、予備役が約145万人とされています。
単純な人数計算だけでも、
中国やアメリカがどれほど軍事費にお金をかけているのかが分かるかと思います。
もちろんこれ以外に異常に高額な最新兵器の調達もあるのは言うまでもありません。
徴兵制を日本が導入した場合、一気に少なくとも人数的には中国・アメリカと大差ない兵が確保されることになります。
お金のかかり方がハンパないと思っておくべきです。
ちなみにドイツは現在徴兵制を廃止していますが、
その代わりに難民を100万人以上受け入れています。
徴兵制とは違い、武器とか教育などが必要のない人道的な支援ですから、
単純に衣食住を提供しているだけですが、
それでも100万人もの人達を無料で養うことがどれだけの経済的ダメージ、
心理的ダメージを国民に与えているのか。
ドイツは今、国が二つに割れかかっていると言われています。
もちろん日本での徴兵制の導入は今いる日本人が対象ですから、
新たな難民の受け入れとは訳が違います。
それでも、宿舎を設けて衣食住を提供するのは同じです。
国家予算を非常に大きく圧迫するようになるのだけは間違いありません。
今の行政サービスを余程大幅に削っても維持はかなり難しいと考えた方が無難です。
臨戦態勢になればそうも言っていられないでしょうけど。
また、現代の戦争は第二次世界大戦とは非常に大きく戦略戦術が変わっていますし、
使用される武器も違っています。
現代戦は一般的に最初にミサイルにより敵のレーダーサイトを破壊することから開始されます。
続いて制空権を得るための戦闘機による戦いが開始され、
それにより制海権も決定して行きます。
その後、制空権と制海権を奪った側が空爆を開始して、
徹底的に敵の軍事施設と場合によっては都市も破壊します。
この段階になってようやく歩兵(陸軍)が敵の首都に向かって攻略を開始して、
残存兵力を殲滅させながら最終的に首都を占領して戦争は終結するのが通常のパターンです。
しかしながら、現代戦はその後の占領政策が異常に難しくなるのがパターンとなっていて、
このため、ゲリラが多発して統治が出来なくなり、
戦争に勝利しても統治が上手く行かず、混乱状態が続いてしまいます。
従って戦勝国の経済が疲弊する事態になってしまいます。
そのため先進諸国は戦争に踏み切れないでいて、
中東ではそのお陰で逆に大量虐殺が長引いてしまうと言うおかしな状況になっています。
平和主義の中で生きる私達日本人は自国はおろか、
他国の現実の戦争に対しても無力です。
思考すら出来ない状況になってしまいます。
ただひたすら平和念仏を唱えるだけ。
念仏が効かないと分かると無視をするだけです。
中東の戦争も、北朝鮮のミサイルも、中国の軍艦も、
見なかったことにしたい、無い物と思いたい、ただそれだけ。
危機を危機と感じないで、遠い国の戦争は考えなければいい、と。
ではどうすればいいのか?などと考える事すら悪である、と。
結果的に、人間的に異常に残酷な国になっているのでは?と思う今日この頃です。