月の写真はどうやったら綺麗に撮れるのか?

昨夜の皆既月食の時に一眼レフカメラと三脚を使って撮ろうとしているけど、
何が何だか分からないと、某SNSで疑問を投げかけていた人がいるので、
私は非常に拙い者ではありますが、
それでもある程度の方法と、出来ない事と出来る事はおおよそ分かっているつもりなので、
あくまでも超初心者を対象とした基本中の基本を改めて書いてみたいと思います。

今はスマホ全盛時代、SNS全盛時代であります。

スマホのカメラでズバッと綺麗な皆既月食を撮影してインスタ映えを狙いたい人は多かったかと思います。

しかし残念ながら手持ちのスマホでは綺麗には撮れません。

もっと言うとスマホだと三脚付きでも無理だと思っておいた方がいいです。

「あ、月が写ってますね」くらいの写真が撮れれば上出来中の上出来であります。

さらに言うと、コンパクトデジタルカメラでも余程特殊な機種以外、
これまた無理だと思っておいた方がいいです。

三脚付きでもです。

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↑後程、再度同じ写真が出て来ますが、これがコンパクトデジタルカメラを三脚に固定して撮影した写真です。

左上部に皆既月食中の月が見えているかと思います。


この写真は拡大を使用しておりませんが、
仮に拡大しても月はボヤけるだけで綺麗には写りません。

コンデジはレンズが小さいのでそもそも無理があるのです。


もっと言ってしまうと、デジタル一眼レフカメラに望遠レンズと三脚を使用してもまだ難しいです。

カメラが最高機種で望遠レンズも100万円以上する500mm以上を使用していたら話は別ですが。

想像以上に月を綺麗に撮るのは難しいと思っております。

ちなみに、三脚と望遠レンズとカメラ以外に絶対に忘れてはならないのは「レリーズ」です。

三脚にカメラを置いても手でシャッターを押していたらかなりの確率でブレてしまいます。

天体写真の世界は非常にデリケートなのであります。

ちなみに300mmの望遠レンズで普通の入門一眼レフカメラで撮影するとこんな感じです。

イメージ 1

↑300mmの望遠レンズは結構デカいのですが、これにブレ防止に「必ず」レリーズを使用します。

(念のため、この写真には水準器がついておりますが月の写真には必要ありません)


また、忘れてはならないのは、カメラの「手振れ防止機能はオフ」にするのが原則です。

オートフォーカスは月だったら割と良く効くので、取り敢えずオンでも良いかも知れません。

合わないと思ったら手動に切り換えます。

基本的にオートではなかなか撮れません。

綺麗に撮ろうと思ったら全手動にして、
絞りや焦点を自分で調整して撮影します。

もちろんシャッタースピードやISOも色々と変化させて一番良く撮れる設定を自分で探さないといけません。

それは天気やその場所の明るさなどに非常に大きく左右されるため、
ともかく慣れる以外に方法はありません。

300mm望遠を三脚レリーズ付きで撮るとこんな感じに写ります。

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↑300mm望遠でも月はかなり小さいのであります。

しかもクリアには撮れていないと思います。

500mmくらいを使ってようやく以下のようになります。

ただし以下の写真はカメラレンズではなく小型天体望遠鏡です。

500mm望遠レンズ相当になります。

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↑切り抜きをしなければこのくらいの大きさなのです。

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↑これが500mm望遠レンズ相当の小型天体望遠鏡による撮影です。

ちなみにこの種の天体望遠鏡の操作は非常に難しいため、
余程好きでない限りは手を出してはいけません。

想像以上に、非常に厄介な世界です。

一眼レフカメラの55mmくらいのレンズでの三脚なしのオート撮影では月はこのくらいの大きさになってしまいます。↓
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こんな事を言ってしまっては何でありますが。

カメラ機能に特化しているコンパクトデジタルカメラでもほぼ無理で、
三脚レリーズを使用した望遠レンズ付き一眼レフカメラでも実はかなり難しい、と。

それを様々な機能があるスマホでクリアに撮れるなどと思う方がおかしいと思っておくべきでしょう。(苦笑)

たかが月ではありますが、されど月であります。

本気で撮ろうと思うと・・・・・

天文趣味の世界では・・・・・

普通にこのようになってしまうのです。

イメージ 7
↑(笑)

終わり