世の中には色々な遊びがあります。
しかしその地方でなくては出来ない遊びと言うのもあります。
以下にご紹介する動画は東京でなくてはもう出来なくなった遊びが終わった後のものです。
「寄席」はかつては日本中に沢山あったそうです。
庶民の一番身近な娯楽だったそうです。
現在は急速に数を減らしてしまい、
常設の「いわゆる寄席」は東京広しと言えども4軒しか存在していません。
その中の1つ、最も古い上野鈴本演芸場は江戸時代からある寄席なのです。
今ではビルになっていますが、それでも当時の面影と慣習を残しています。
それが太鼓に表れています。
一番太鼓、二番太鼓、ハネ太鼓を叩いてくれるのであります。
これを寄席の前でやるのは鈴本演芸場しかありません。
寄席が終わり、エスカレーターで1階に向かうと、
徐々にハネ太鼓の音が聞こえてきます。
この日は二代立花家橘之助の襲名披露口上もあったため、
花が凄いことになっています。
そして出口の高い所で前座さんがハネ太鼓を叩いているのが見えます。
これを聞くと「ああ、東京だな~」と、しみじみ思います。
かつて、この辺を侍が刀を差して歩いていた時代から続いている寄席。
それが鈴本演芸場であり、江戸の、東京の、古くからの伝統を受け継いでいる唯一の場所であります。
ハネ太鼓、良いもんであります。
東京でしか出来ない遊び。
それが今や寄席であるかと思うのです。
補足:寄席と名の付く場所は他にも沢山あるのですが、
そこは必ずしも昔の寄席のように、常に落語が聴ける場所ではありません。
また、動画はYouTube上では限定公開となっているため、
当ブログ以外では見ることが出来ない設定になっております。