イージス艦の誤解について

最近、やたらとマスコミを賑わせているイージス艦

立て続けに衝突事故を起こして壊れてしまった。

イージス艦南シナ海に派遣した」

イージス艦を伴った空母艦隊を北朝鮮近辺に派遣した」

等々、マスコミでは盛んにイージス艦と言う単語が独り歩きしている感がある。

そして衝突事故の映像を見て、
「なんか言われているほど強くない情けない軍艦」くらいのイメージを持ってしまう日本人が非常に多く出てくると危惧される。

戦後72年間、運良く日本は戦争に巻き込まれることはなかったが、
軍事についてはヒステリックに思考そのものを停止してしまったため、
おそらく私も含めて99%の日本人は軍事について無知になってしまっている。

そんな無知な私でもあまりに酷い最近のマスコミ報道の意図的な間違いと言うか、
デマについて指摘しておきたい。

そもそも問いたい。

イージス艦とは何ですか?と。

これに正確に答えられる日本人はほとんどいないと思う。

当ブログでは過去にイージス艦について何度か書いたと記憶しているので、
今回は焦点を絞ってたった1つだけ書いておきたい。

イージス艦の装甲そのものは極めて弱い」

これに尽きる。

多くの日本人は現代の兵器についても第二次世界大戦時の知識をベースにしているように感じる。

巨大な軍艦とは魚雷を一発食らったくらいではビクともしない設計になっているはず、と。

そして艦隊戦とは至近距離で敵味方が入り乱れて砲撃戦をするはず、と。

有り得ない。

現代の艦隊戦は遥かに離れたところからミサイルを撃ち、
敵が見えないうちに既に勝敗は決してしまう。

つまり、現代戦における敵からの攻撃と言うものは、
遥か遠くにいるうちから始まっていて、
至近距離に入られると言うことは既に負けていると言っていい。

従って、今の最新鋭のイージス艦は魚雷どころか砲撃を一発食らっただけで戦闘不能になってしまう。

接近戦を想定していないのである。

だから船体の厚さが非常に薄いのである。

何故そんな事をするのか?と言うと。

イージス艦はそもそも空母を護衛するための船」だから、
異常に強い防御能力、この場合は空母を狙って飛来するミサイルや砲弾、戦闘機を遥か手前で一気に迎撃する能力に長けている船と言っていい。

そのため、機動力を重視しているので、イージス艦の設計は何と自分が撃たれてしまうことを想定していない。

つまり命中したら終わり、と。

それほど高い防御能力を有している船がイージス艦なのである。

従って「タンカーと衝突する」などと言う事態は想定していない。

だから、壊れる。(苦笑)

これはイージス艦が弱いから起こった事故ではなく、
そもそもそういう設計になっていると思っておくべきかと思う。

終わり



補足:

これでも誤解してしまう人が出てくると思うので付け足しておきたい。

北朝鮮近海へイージス艦を伴った空母艦隊を派遣した」と言うニュースに接した日本人のほとんどは、
北朝鮮とドンパチ始まり、大規模な戦争になると恐れていると思う。

もちろんその可能性はあるにはあるのだが・・・・・

イージス艦を伴った空母艦隊・・・・・

これは単純にイージス艦と空母だけなのではない。

これらの艦隊は、潜水艦や対潜哨戒機なども伴っていて、
「無敵の結界」を持った「無敵の武器の塊」が移動していると思っていい。

世界中のどんな国でも、この艦隊に攻撃を仕掛けられる軍隊は存在していない。

何かを撃ったとしても、あっさりと砲弾やミサイルですらも迎撃されて相手にダメージを与えることなど不可能だ。

その後、とんでもない反撃を受けて木っ端微塵に粉砕されてしまう。

この空母艦隊はちょっとした国そのものを殲滅させられる攻撃能力を有している。