防犯の基本:防犯対策の強化と加害者になるのは紙一重かも知れない

今回述べたいのは防犯対策の強化とは、
間違ってしまった場合、防犯のつもりが何時の間にか自分が刑事事件の被告として裁判を受けるハメになる可能性についてです。

そしてその確率は案外高いと思い知るべきなのかも?と言う意見となります。

今から25年くらい前だったでしょうか。

柘植久慶と言う防犯や軍事の専門家がその著作の中で非常に興味深い事を指摘していました。

「犬を飼う場合、防犯の観点で言ったら忠実な小型の柴犬で十分。
 
 大型犬は止めるべき。

 むしろ傷害事件を巻き起こす可能性の方が遥かに大きい。」

と、おおよそこのような見解を示していました。

以前から私はこう指摘しています。

・日本人においては犬を飼う資質を有している人は3割にも満たない

理由として、優し過ぎるからです。

犬の飼い主は絶対君主でなくてはならないのです。

絶対君主になれない場合、犬は権勢症候群と呼ばれる非常に危険な状況になります。

・大型犬に至っては資質を有する者は1割にも満たない

さらに大型犬の場合、特にドーベルマン、シェパード、セントバーナードなどは、
普通の人では無理と考えるべきです。

これらの犬種は軍隊や警察で使用されるために改良されたもので、
非常に危険な凶暴性を遺伝的に持っています。

迂闊に一般民間人が飼った場合、
防犯効果どころか、刑事事件の被告として裁かれる身になる可能性の方が遥かに高くなってしまいます。

何でこんな事を書いたのかと言いますと。

偶然、某俳優夫婦の問題を読んでしまったからです。

彼らはマンションでドーベルマンを飼っていたようです。

実はこのマンションは大型動物は禁止されていたにも関わらず。

何が起こったのか。

ニュースに書いてあったのを忠実に表現しますと、

その俳優夫婦は6歳になる自分の娘にドーベルマンの引き綱を渡し、
玄関辺りに待機させていたそうです。
その間、その夫婦は6歳の娘とドーベルマンだけにさせていた、と。

そこへ小さな女の子を連れた母娘が通りかかったら、
そのドーベルマンは6歳の女の子を引きずり、その綱を引き離し、
猛然とその母娘に襲いかかったそうです。

その母親は我が子を庇うために娘に覆いかぶさったら、
そのドーベルマンは母親の太ももに咬み付き、
全くそのままの状態でずっと放そうともしなかったそうです。

6歳の女の子が親(その俳優夫婦)を呼びに行き、
他の人の助けを借りて、ようやく引き離した、と。

かなりの重傷を負わせてしまいました。

問題はこの後にあります。

結果的にこの母娘の一家は恐れてしまい引っ越しをしました。

つまり、被害者が引越して、
加害者が居座る状態が続いた訳です。

その後、この加害者一家も引越したそうですが。

一審の判決では300万円代の判決が命じられたそうですが、
二審では1000万円代???

ただ、この訴訟は咬まれた被害者とのものではありません。

不動産屋(マンションの持ち主)が起こしたものです。

つまり、引越されてしまった訳なのでその損害賠償である、と。

ここで問題にしたいのは、
その俳優のとっている行動です。

人間に大怪我をさせたドーベルマンを犬の訓練施設に預けた後、
元に戻して今も飼っているらしいと言う事なのです。

「相手が悪い」とも言っているらしい???

この辺の真偽のほどは定かではないので断定はしませんが、
1つ言えるのは非常に醜いタイプの犬の飼い主の心理を地で行っていると感じます。

「オレがこれだけ可愛いと思っているのだから、
 周りも可愛いと思わなくてはいけない」
と言う非常に傲慢な態度です。

大型犬を飼うと言う事は、
ヤクザの格好をして「オレは強いんだぞ。ゴタゴタ言ったら刺すぞ」と言いながら歩いているのと大差ありません。

事実、大型犬をキチンと制御して飼っている人はほとんどいません。

大きくなった犬に手を焼いて檻に閉じ込めたままか。

実際に私も体験しましたが、
散歩中、いきなり10mくらい離れた所にいた女性が連れていたドーベルマンが、
こちらに猛然と向かって来た事があります。

飼い主の女性は悲鳴を上げて転倒しましたが。

幸い、その女性の重みでドーベルマンはそれ以上走っては来れませんでしたが。(苦笑)

このように、一歩間違えば殺人事件に至るのが大型犬なのです。

事実、他でも殺人事件は巻き起こっています。

1例を挙げます。

金持ちの某弁護士がその昔大型犬を防犯のために自宅で飼っていました。

何が起こったのか???

家に遊びに来た子供を咬み殺してしまいました。

防犯に良いから、などと言う理由で迂闊に飼えるような犬種ではありません。

防犯のために飼ったと思ったら殺人事件や傷害事件の被告として裁判を受けるハメに・・・・・

非常に恐ろしい問題であると認識しています。

また、防犯については武装の問題もあります。

実際にいたのですが、武装する事を良しとしてブログを書いている人がいました。

当ブログにも大分以前、武装を勧めるコメントが来たことがあります。

この種の人の思考は「通り魔殺人やストーカー事件など物騒な世の中だから武装しなくてはならない」と言う考えを持っています。

警察は頼りにならないから自分で常日頃から武装をする、と。

これは3つの点で完全に間違っています。

先ず、どんな武装をしようが、
通り魔から身を守る事は出来ないのだと言う現実を知るべきです。

プロレスラーの力道山ですら刃物の一撃で死にました。

通り魔が仕事をするのは一瞬です。

刃物は大体0.2秒で人体に達してきます。

それも不意打ちで。

これは如何なる武道の達人でも防げません。

銃の撃鉄を常に上げていて周囲を注意深く警戒していても無理です。
(そんな事をして歩いていたら即逮捕ですが。笑)

ここで念のため注意点を。

もちろん、近くでその瞬間を目撃した場合は、
直ぐに逃げなくてはなりません。

私が言っているのは通り魔の第一被害者となった場合についてです。

そしてもう1つ。

自分が通り魔に殺される確率は500万分の1くらいであると言う事実です。
(統計の取り方にもよりますが、日本だともっと低いかも?)

この確率は年末ジャンボ宝くじに当たるよりも低いのです。

年末ジャンボは1000万分の1ですが、大抵は10枚単位で買います。

すると100万分の1となります。

この確率は統計学的にはほとんど有り得ない数字となります。

そんな事のために武装

そしてさらに3つ目。

当たり前ですが武装は非合法だと言う事です。

つまり、ほとんど有り得ない事のために非合法な行動を常にする・・・・・・

結果的には警察に捕まりこれまた検挙・・・・・

防犯対策においては、このような思考パターンにハマって、
何時の間にか逆に刑事事件の被告になっている事があるかと思います。

要注意かと。

終わり