「愛は静けさの中に」

「愛は静けさの中に」と言う昔の映画がある。

生まれつき耳の聞こえない女性を愛した男の物語。

彼はBachの音楽を愛し、暇さえあれば聴いていた。

しかし、耳の聞こえない女性と付き合い始めてから音楽を聴かなくなる。

しばらくして彼女は言う。
「音楽って何?音楽を表現して欲しい」と。

彼は久しぶりに音楽をかける。

Bachの2つのヴァイオリンのための協奏曲、第2楽章が流れる。

彼は体で表現しようとする。

「音楽って言うのはね。音楽って言うのは・・・」

深く深く心の奥底から湧き上がって来る揺るぎない情動。

「I can't.」と言うのが印象的だった。

Bachの音楽が静かに、しかし確固たる美しさで流れていた。
 
↑1:16:30から始まる場面が好きです。