「ゴヤ 光と影」・・・40年前のあの日から・・・

プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影」 国立西洋美術館(東京・上野)

平成23年10月22日(土)~平成24年1月29日(日)



今からちょうど40年前。

1971年某月某日。

美術好きな母が上機嫌で、当時小学校中学年くらいだった私の部屋に突然入って来た。

「これはね、とても素敵な芸術作品なの。飾っておきなさい。」

と無理やり私の部屋に切り抜きの写真を貼ってしまった・・・・・

それがスペイン美術の巨匠フランシスコ・デ・ゴヤ(1746-1828)のマスターピース
「裸のマハ」と「着衣のマハ」だった。

小学生の私は戸惑いながらもそれから毎日「裸のマハ」「着衣のマハ」を眺める日々を送った。(苦笑)

当然の事ながら、それは忘れられない絵画となった訳だ。(爆)
(^W^;

「裸のマハ」はゴヤ自身が異端尋問にかけられたくらいの作品だ。

現代人にとってもドキリとするくらいの画風かと。

今から40年前。

その「裸のマハ」と「着衣のマハ」が2つ同時に東京・上野の国立西洋美術館にやって来て大人気の展示会となった。

母はソレを観に行って余程感動したのだろう。

小学生の私にすら鑑賞を強要したのだから。(^。^;

それから20年くらいして、バブルの頃、母は実際にスペインのプラド美術館に行き、
その2作品と再会している。

それはともかく。

1971年から40年経過した今年2011年10月22日(土)。

また日本にプラド美術館からゴヤの作品が大挙して押し寄せて来た。

今回は残念ながら「着衣のマハ」だけであるが・・・・・

だが、私のこの作品にかける情熱はご理解頂けるかと。(笑)

母に無理やり鑑賞させられてから40年後。

この初日の22日(土)。

私は開門前の上野の国立西洋美術館で雨の降る中、軽く100人以上が並ぶ行列の中にいたのである。(爆)

9:30の開門と同時に、あらかじめ入手しておいた前売り券(格安チケット)を持ち、一気に入場。

他の作品には目もくれず、先ずは「着衣のマハ」と初のご対面と相成った次第である。
(^W^;

「着衣のマハ(La maja vestida)」は、しばらく進んだ第Ⅲ室の一番目立つ所に掛かっていた。


イメージ 1

↑「着衣のマハ(La maja vestida)」↑

95cm × 190cm

堂々たる大きさの大作だった。

デカい。

そして完成度が高い、と言うのが第一印象だった。

ゴヤのマスターピース・・・・・

記憶に間違いなければ私がゴヤの実物を観たのはこの日が最初だと思う。

フランシスコ・デ・ゴヤ・・・・・・・・・・

スペインの宮廷画家としての地位を確立していた巨匠。

顔をグッと近づけてみるとタッチは荒々しい。

だが、やや離れた場所から見ると写実的になっている。

数だけはメチャクチャ行っている展示会ではあるが、
絵画の知識は未だに非常に乏しい私的には、
ゴヤと言う画家の作風をどう位置づけたら良いのかは分からない。

それは専門家に任せるとして。(苦笑)

女性美を追求する者として、この作品は傑出していると思う。

豊かな胸と尻。くびれたウェスト。太い太もも。

理想的な女性の曲線美。

ベッドに横たわりこちらに視線を向けてくる。

完璧な作品???・・・・・

否、残念ながら違う。

私は不幸な事にもう1つの作品の存在を知ってしまっている。



イメージ 2

↑「裸のマハ(La maja desnuda)」↑

「着衣のマハ」と「裸のマハ」・・・・・

私はどうしても両作品を同時に並べて鑑賞してみたい。

いつか私はプラド美術館に行きたいと思っている。

「着衣のマハ」・・・この作品の実物は私の期待を裏切らなかった。

いつか、きっと私はスペインの地を踏み、この2作品を同時に鑑賞してみせる、と誓った。

終わり



余談:今回の展示会では版画も非常に多い。戦争や妄想など不気味な作品も多かった。

版画では個人的には闘牛作品に興味をひかれた。

昔の闘牛士の技が版画として見られ、結構感動してしまった。

かなり無謀な技もあって驚いてしまった。(^^;

さて「着衣のマハ」以外にもう一点、とても気に入った作品があった。



イメージ 3

↑「レオカディア・ソリーリャ?(Leocadia Zorrilla(?))」↑

人物の特定に諸説があり「?」がついている。

ゴヤは宮廷画家だったのでパトロンの貴族達の肖像画を多数描いている。

この場合、当然写実的でなくてはならず(似てなければ依頼主は満足しない)、
しかし写実ギリギリの範囲内で美化しないといけない。
(お金を頂く相手を不細工には描けない。笑)

従って、肖像画のほとんどは「これみよがしの営業スタイル」で描いてあった。(笑)

だが、上記の作品だけは違った。

思わず足を止めてしばらく見入ってしまった。

この女性の肖像画は、ゴヤ自身が本気で好きで好きでしょうがない女性では?と。

他の「営業作品(笑)」からは感じられない「エロ」を放っていた。

註:「営業作品(笑)」=貴族の肖像画。これはこれで素晴らしいとは思う。(^^;

だがこの作品だけは「男の視線」でこの女性を見詰めている、と。

この作品だけは、ルノワールドガ黒田清輝と同じ匂いを感じる、と。

つまり「女性が好きで好きで仕方ない感」を。

私と同じ匂いを・・・(爆)

こういう作品を前にすると、途端にゴヤに親近感が湧いてくる。

ああ、やっぱり「男」なんだな、と。

他にも沢山魅力的な作品があった。

参考までに。



イメージ 4

↑「日傘」↑



イメージ 5

↑「自画像」



イメージ 6

イメージ 7

↑パンフレット表裏↑



いずれにしても私は・・・あと2回くらいはこの展示会に行くと思う。(爆)

余談、終わり

(^。^;



昨夜、余りの感動が薄れぬうちにと思い、一気に書き上げ、
ブログ休止中にも関わらず、出張前の僅かな隙間時間を使っての投稿。(笑)
(>0<;v

これより本当に土曜日まではてんてこ舞いの日が続きます。

それでは皆様、ごきげんよう
m(u u)m