「めぐり逢う朝(Tous les matins du monde)」
先日、ブロ友のソナタさんから映画を紹介された。
書き方が熱かったので、これは相当ヤバい映画だと感じ、
即座にアマゾンに発注。
昨夜、観る運びとなった。
この映画はつい最近まで数万円で取り引きされていたそうだが、
やっとデジタルリマスター版が発売され、安価で入手可能となったそうである。
それもそのはず、この内容では・・・・・(@0@;
「めぐり逢う朝(Tous les matins du monde)」
1991年 フランス映画
監督・・・アラン・コルノー
サント・コロンブ・・・ジャン=ピエール・マリエル
マドレーヌ・・・アンヌ・ブロシェ
若き日のマラン・マレ・・・ギヨーム・ドパルデュー
寸評:これは・・・紛れもないフランス映画の傑作中の傑作ではあるまいか?
久しぶりに映画を観て大感動してしまった。
こういう映画って、日本やアメリカでは絶対に撮れない。
ヨーロッパの、中でもフランスならではの真骨頂が見事に表現されている。
それは究極に追い求めて行く者の心理を極限までに具現化してくる映像にある。
ここ数年の私は娘と一緒に美術館巡りをしている。
改めてフランスの凄さを思い知らされていたところにこの映画・・・・・
こてんぱんに打ちのめされた感覚だ。
宮廷音楽家として成功し、今でもマレの音楽を好む者は多い。
だが、かつてマレが師事したサント・コロンブと言う男・・・・・・
宮廷に仕えることを拒絶し、愚直なまでに音楽を、音楽そのものを追究している男。
マレとは結局、離れて行ってしまう。
その後、マレは出世街道に乗り世間的には大成功の道を進んで行く。
世俗の道を・・・・・
だが、マレはかつての師の音楽を・・・否、音楽そのものを思い出す。
それは一体何なのか???・・・・・
バロック音楽を、否、音楽を愛する者にとって、この映画は核心中の核心にまで切り込んでくる。
フランスと言う国が凄いと思うところは、
この映画が数々の賞を総なめにしていることにもある。
まあ、賞などと言う世俗はさておき・・・・・
この映画の全編にわたり鳴り響いている音楽・・・・・
ヴィオラ・ダ・ガンバ(ヴィオール)の音・・・・・
美し過ぎると思う。
この官能!!
この感動!!
ジョルディ・サヴァールが音楽監督か・・・・・
今までの私はチェンバロと言う楽器が一番好きだった。
これは今でも揺るがない。
だが、この映画を観てしまった後・・・・・
ヴィオラ・ダ・ガンバと言う楽器。
非常に良く理解できた。
映画の中で盛んに出てくるヴィオールの絡みつくような合奏。
この7弦の楽器。
究極に官能的だと思う。
この楽器は・・・禁断の楽器かも知れない。
参考までに。
余談:この映画の話を妹にしたら映画通の妹。
「あ、この映画、渋谷のBunkamuraの映画館で視たよ。感動したよ。
メチャクチャ感動して映画館を出たら、
ジーさん(私の父。映画通)が入れ替わりで入って来たのには驚いたけど。」と。
ちなみに昨夜、私がこの映画を感動しながら観ていたら、
オヤジが入って来て、この役者はどうたらこうたらと解説を始めてうるさかった。(>0<;
いずれにせよ、この映画は、ヨーロッパを好む者にとっては必見かと。
終わり