※ 個人的には非常に悲しくも感動的な話。
また、古い記憶を頼りに書いているのでセリフが微妙に違っているのはご容赦を。
「ブラック・ジャック」と言う手塚治虫の漫画がある。
主人公はブラック・ジャックと呼ばれる無免許の凄腕外科医。
法外な値段を患者に要求し、極悪非道とも噂されているが腕は天下一品。
しかし、実は非常に人間的な人物・・・・・
ある一家にお婆さんがいた。
非常にがめつくて、嫁にもお金をたかって家族の嫌われ者だった。
余りにもお金の要求が酷くて、息子が厳しく言うが平気の平左。(><;
ある日、家族はそのお婆さんが一体何にお金を使っているのか?と後をつける。
すると、一軒の立派な屋敷に入って行った。
その家はブラック・ジャックと同じように法外な手術料を要求する医者の家だった。
その医者は既に死んでいて、お婆さんは医者の死後も律儀にお金を届けに来ていた。
つまり・・・かつてお婆さんの息子は絶対に助からない病気に罹っていた。
たった1人助けてくれると言うその医者に全てを託す。
法外な料金を要求されたが、ずっとずっと支払い続けていた。
その最後の支払いの日だった。
ブラック・ジャックは何かの偶然でその場所に居合わせている。
「私と同じような医者がいたとは・・・」と苦笑しながら。
そして、そのお婆さんは最後の支払いが終わると同時に倒れてしまう。
もう、絶対に助からない状況・・・・・
後を付けていた家族はお婆さんの下に駆けつける。
ブラック・ジャックの病院へ運ばれるお婆さん。
ブラック・ジャックは言う。
「○千万円かかるけど、手術するかい?」と。
息子は即答する。
「手術して下さい。たとえ○千万円かかっても必ず払いますからっ!!」と胸を張って。
物語はこのセリフで終わる。
「その一言が聞きたかった」
ブラック・ジャックのシリーズの中でも非常に好きな作品だ。
終わり