昔の大向う

昔の歌舞伎の動画を観ておりますと、
今よりも大向う(おおむこう。なりたやっ!!とかの掛け声)のバリエーションが多かったように感じています。

成田屋っ!!音羽屋っ!!などの屋号は有名です。

他には「〇代目っ!!」もよく聴かれます。

あるいは「待ってましたっ!!」なども。

しかし「神谷町!!」だとか「紀尾井町!!」などの役者が住んでいる町名を言うのもありましたが、
今は都心の地名には「町」が付かないため掛けられなくなっている???

↓また、以下の動画を観ると「大統領!!」と何度か掛けている人がいます。↓

弁慶を演じているのは八代目松本幸四郎高麗屋)です。

しかし大統領と言う大向うは調べると二代目市川左團次に掛けるものだそうです。
(翻訳劇を盛んにやっていたため)

古い動画ですし、当時の慣習も分かりませんから、
これが間違いであると言う事は決して出来ません。

何故、大統領と掛けたのか、気になるところではありますが。

「大向う」

現在、それだけを専門に書かれた本は私が知る限り1冊しかないようです。

歌舞伎の全体的な本の中において部分的な著述は多くありますが。

私的には現在、歌舞伎の大向うに大変興味を持っております。

昔の動画などは大変参考になるのであります。

(^0^v



余談:

珍しい大向うでは「大時計!」なんてのもあったそうです。

これは六代目坂東彦三郎に掛けるもので、
趣味が時計集めだったからだそうで。(笑)